映像探偵社製作、シネセゾン配給で1986年に劇場公開された『夢みるように眠りたい』がデジタルリマスターとなってよみがえる。
本作は『私立探偵濱マイク』シリーズはじめ『アジアンビート』『ZIPANG』『彌勒 MIROKU』などの作品を映画を世に放ってきた林監督のデビュー作である。当時29歳、全く無名で現場経験もゼロだった林海象が、モノクロ・サイレントの手法を用いて撮った昭和30年代頃の浅草を舞台にした探偵物語。「状況劇場」(唐十郎)で活躍していた佐野史郎の映画初出演&主演作。吉田義夫、大泉滉、深水藤子、あがた森魚、遠藤賢司といった個性派が脇役を固める。幻の名作が、34年の時を経てスクリーンに!
■あらすじ
大正7年。初めての女優主演映画といわれる帰山教正監督「生の輝き」の以前に、実は月島桜が主演した「永遠の謎」という映画があった。しかし、この「永遠の謎」は、警視庁の映画検閲によって妨害され、ラストシーンが遂に撮影されないまま、その名を映画史から消されてしまった……。 昭和のはじめ、東京。私立探偵・魚塚甚(佐野史郎)の元に、月島桜と名のる老婆(深水藤子)から、誘拐された娘・桔梗(佳村萠)を探して欲しいとの依頼がくる。調査を続けるうちに、魚塚は、この事件全体がまるでドラマのように出来すぎていることに気がついていく…
■キャスト
佳村萠 / 佐野史郎 / 大竹浩二 / 大泉滉 / あがた森魚 / 小篠一成 / 中本龍夫 / 中本恒夫 / 十貫寺梅軒 /
遠藤賢司 / 草島競子 / 松田春翠 / 吉田義夫 / 深水藤子
■スタッフ
●脚本・監督:林海象
京都府京都市生まれ。映画監督、映画プロデューサー、脚本家。東北芸術工科大学教授。
映画では『夢みるように眠りたい』『私立探偵 濱マイク 3部作』『探偵事務所 5シリーズ」『彌勒』、テレビドラマでは『黒蜥蜴- BLACK LIZARD-』他、作品多数。2019年、監督作品『BOLT』が「第22回上海国際映画祭」のパノラマ部門(受賞対象外の話題作品)の正式招待作品として上映。2020年、監督デビュー作である『夢みるように眠りたい』が、「英国映画協会が選ぶ、1925~2019年の優れた日本映画95本」の1本に選出。また、映像のみならず舞台の世界でも活躍の場を広げており、2019年には舞台『ロストエンジェルス』の演出を、2020年には舞台『かげぜん』の演出を手掛けた。
●撮影:長田勇市
●製作:一瀬隆重
●美術:木村威夫
●音楽:熊谷陽子 / 浦山秀彦 / 佳村萠 / あがた森魚
●照明:長田達也
夢みるように眠りたい|2020年デジタルリマスター(初版1986年)|84分
脚本・監督:林海象
製作:映像探偵社|宣伝・配給:ドリームキッド / ガチンコ・フィルム